スウェーデンの学生時代がモラトリアム期間ではない理由とは?

日本では、一般的に4年間の大学生活がモラトリアム期間として認識されています。大学在学中に、アルバイトや海外旅行、語学留学等、学業の傍ら、学生時代にしかできない活動を経験する事が期待されています。

スウェーデンやヨーロッパの学生は、大学や専門学校をモラトリアム期間の拠点ではなく、学問の場として認識しています。大学側も、社会人が一日8時間仕事をするのと同様に、学生も一日8時間勉強する事を要求します。

スウェーデンや他のヨーロッパの国で就職する際に非常に重要なのは、大学や大学院での専攻内容と希望する職種に明確な関連性があるという事です。また、希望する職種での経験があるという事も同様に重視されます。

そのため、なんとなく学部を選択する、とりあえず大学へ進学するという人は少ないのです。

大学卒業後や社会人になってからモラトリアム期間を持つということ

社会人になってから仕事を休職あるいは退職し、モラトリアム期間を設ける事で、キャリアに空白ができる事を不安に思うスウェーデン人も勿論いますが、「やりたいことが分からなくなったり、自分の人生についてゆっくり考えたいのなら、しばらくタイムアウトを取ってもいいじゃない」という考えは、スウェーデン社会では割と大らかに受け入れられています。

スウェーデンでも、彼らが社会復帰する際に、なぜ労働市場から長期離脱をしたのかは問われます。この際、全く何もせず家に閉じこもっていたのではないという事、自分を見つめ直す機会を持つことで、具体的に何を学んだのか、人間としてどのように成長したのか等を語る事が求められます。

自分と向き合う時間を持つ事が、無駄だと切り捨てられない点、自分の幸福を追求する権利と責任は自分にあるのだという考えが一般的に受け入れられている点は、スウェーデンを居心地の良い国だと感じる理由の一つでもあります。



ABOUTこの記事をかいた人

近藤万祐子

神奈川県横浜市出身の30代の日本人女性です。2012年に、スウェーデン人男性と結婚し、スウェーデン南部へ移住しました。現在は、現地の大学で心理学と教育学を勉強しています。また、学業の傍ら、スウェーデン在住ライターとして、海外生活、留学、異文化理解、ヨーロッパと日本の教育などに関する記事を投稿しています。